パートチュ−

探偵は依頼人の依頼の区域で働けばいいのだし、捜索人を探せばよいのだ。なぜ彼を追跡しているのか、なんて問う必要は無い。

大学の先輩や先生が壇上にあがられる講演があったため、閉会一日前駆け込みで、『ドイツ写真の現在―かわりゆく「現実」と向かいあうために』展に向かう。
たとえば、ロレッタ・ルックスの作品を見て感じる曰く言い難い感覚、そこに言葉で光を当てて、像とはいかなくとも輪郭の部分ほどには解きほぐしてくれるのは、聞いていてやはり心地いい。もちろん鑑賞時に知識との反復を素早くできない自分への戒もこめて。

部屋の蛍光灯を替える。家を建て替えてからおよそ10年、初めてのこと。明るくなった、というより、色が変わってしまった。これでまた10年はこの光の元に照らされることになるのか。