「語ること、失うこと」

万城目学の『ザ・万遊記』を読んでいる。 彼の2冊目のエッセイだが、 その中に「語ること、失うこと」という一編がある。 自身の作品についてインタビューを受けるたびに、 溢れてしまう説明のできない「何か」について語っている。 これって、いわゆる作品…

トラウマシリーズ 「吉作落とし」

日本昔ばなしの中で忘れられない怖い話、ナンバー1。 ささいなことがきっかけで崖壁から離れられなくなった青年。 何の悪事も働いていない、 健気に生きる青年にある日突然訪れる、死までの数日。。 助けの声は届かず、崖を流れる水を啜って生きる数日。。 …

冒険

仕事をしている。 ここ数週間、数ヶ月ずっと。。 仕事は嫌いじゃないけど、忙しくなってくると色々考えてしまう。 そこそこの忙しさは、色んなことを忘れさせるけど、 いくところまでいくと、忙しさは色んなことを考えさせる。 なんで自分こんなことしてるん…

久々に

最近石川直樹の本を続けて読んでいる。 彼が面白いのは自らを「冒険家ではない」と認識しているところ。 命に危険が及ぶようなリスクの高い場所に度々訪れている彼は、 まさに冒険家だと思われるが、 死のリスクが高いことと冒険はイコールではないとする。 …

カキ氷2010

もう夏の面影はどこにもない。 今は秋が足早に目の前を通り過ぎるところを眺めて楽しんでいる。 あー今年の夏は、社会人になってから一番遊んだ。 楽しかったーと思う。 忘れないように、「カキ氷2010」 筑波山山頂。 豪徳寺の喫茶カノープス。 宮ヶ瀬ダ…

甘美な雪

大島弓子の「青い固い渋い」という短編に、 「わたしにはこの雪は甘美な感じがする」 という気持ちがよくわかる。 徒労の原因のその本人である雪ども。 だけど得体の知れない白いふわふわが、 見上げれば降り注ぎ、 見下ろせば降り積もっている様子は 町を新…

アナザーストーリー

良い曲です。 ブルマの身に何があったのか。 雨と、 悲しそうな、ただぼんやりしてるだけのような表情がいい。

知らない天井

山梨のマチュピチュ

きのうはロケハンに行った後、 かねてから気になっていた山梨のマチュピチュに足を伸ばした。 天気は冬晴れ、中央フリーウェイにのって車を走らせる。 上野原からは高速を降り、 甲州街道を走る。 都心とは全く違う風景の連続で心が躍る。 たとえば中央道の…

フロム新幹線

まだ夜が明けないうちに家を出た。 車のフロントガラスも凍っている。 早朝ではあるが、今日から仕事始めの人も多いのだろう、電車はそこそこ混んでいる。 窓の外では、通天閣のシルエットが薄明に溶けていた。 新大阪に着いて時間があったので地下の珈琲屋…

姓名判断の後のムカツキ

WEBで姓名判断をしてみた。 (以下転載) ニコニコしていて自分にとって敵か味方かの鑑別が早いのです。 シンが強く趣味も豊かで負けず嫌いです。 女性は美人でおしゃれな人が多く男性は病弱で弱気の人が多いのでしょう。 親との生死別をむかえやすいので…

人を殺す夢を見た

夢の話。付き合っている恋人の態度が次第に変貌し、 バイオレンスになっていくのに気付いた女性。 自分を庇うがついに暴力が始まり、大怪我をする。 別れた彼女は、一切の人との交流を断ち切るが、 そのうち仕事(学校?)からの帰り道で毎日立ち寄るコンビ…

ライアン・ラーキンの映画を見て

先日、土曜か日曜に会社で仕事中、 mixiを見てたら気になるニュースが取り上げられていた。 それは、ライアン・ラーキンというアニメーション作家に関する記事。 記事自体は映画上映に関するイベントでタレントが何かしたとか、 そんな他愛もないものだった…

江ノ島

過日、仕事中にお世話になっているADの方から電話があった。 ちょうどロケハン中で車でもあり、学芸大で合流。 「どこ行こか?」の応酬の後、江ノ島に行くことに。 するめクラブで読んでから興味があったのだ。 出発した時間は16時少し前。 第三京浜はお…

5月の帰郷

ゴールデンウィーク直前に実家に帰った。 久しぶりの夜行バス。 出発の3時間ほど前に漸く会社を出た。 会社を出るとき、「早く出ろ!」「消えろ!」と背中に聞こえた同僚たちの声が、 なんとも温かかった。 夜行バスはやはりぼくにとっては心地いい。 もち…

するめクラブ

つまらなく見える町を、 なんとかおもしろがろうとする努力。 つまらなく見える人生を、 なんとかおもしろがろうとする努力。 このふたつには、たぶんほとんどちがいがない。 今日は三つのことが完了した。 まず、恩田陸『ネクロポリス』を読了。 三軒茶屋の…

リアルesビル

なんていうのか、 「バイバイ」が下手な人っている。 結構長い付き合いで、今まで何百回と「バイバイ」してても、 振った手を下ろした瞬間の表情がぎこちなかったり、 そもそも「バイバイ」の発音が変だったり。 彼らがそんな風なのは、別れが儀式っぽくて、…

似てる!

人の顔が似てる。 て結構異様。加勢大周と安陪元総理。 それからさっき気づいたけど、 細野晴臣と樹木希林。樹木希林といえば最近「歩いても歩いても」を見た。 三軒茶屋中央劇場は映画好きそーな人たちが優しく案内してくれる、 いい映画館だった。 塚口サ…

グアムで発見!B級スポット

会社ブログから転載。一部加筆修正。 - 行ってまいりました。常夏の国、グアム。各方面のみなさまにご理解・ご協力いただき、 社員一同でグアムに行ってきました。 からっとしていて過ごしやすい、という 事前情報とは違ってじめっとはしておりましたが、 海…

ばかものよ

貴重な時間を割いて読んだ本が退屈だとムカつく、 という内容のエッセイを読んだ。 ハッとした。 そして反省した。 この俺が選び、 ほとんど無いに等しいプライベートな時間を使って読んだんだから、 面白くないわけないと思ってはいなかったか。 滅多にこな…

引っ越しまで2週間

携帯紛失。 ひとつ前に使っていた携帯を引っ張り出して、 SIMカードを入れてみたが立ち上がらない。 やっぱり新しい端末が必要なようだ。と、確認してみて思った。 使わなくなった携帯っておもちゃみたいに安っぽく軽くみえる。 自分の身から離れた途端に。 …

泣き顔は飲み干した

最近読んだ本 森博嗣『今夜はパラシュート博物館へ』 小川一水『フリーランチの時代』 小川一水『時砂の王』 森見登美彦『太陽の塔』 諸星大二郎『未来歳時記:バイオの黙示録』恋之坂ナイトグライドの浮遊感がよい。 フリーランチの時代、「人類を平らげた…

ことば

昨日尊敬する人から聞いた言葉。 「隣の芝生は青い。 だってほんとに青いから。」 リクルートのコピーらしい。 「青く見えるだけ。」と自分を納得させるより、 実際どっちが青いのか?客観的に問い直す立場がクールで、 潔い。 と、いう話を友人にしたら、 …

いつの間にか秋になった

一週間前、 東京に戻った。長い長い旅。 旅に出る前は春の気配すら遠かったのに、 帰ったらいつの間にか夏が終わっていた。 今日も涼しい麻布十番のスタジオで書く。以前にも書いたが、 今の仕事を始めてから自分の中身について考えることが増えた。 うすう…

袋の色

久しぶりの朝から夜まで続く休日。 たっぷり寝て、起きて、同居人と昼飯を食べに出る。風が暖かい。1月と2月の差より、2月と3月の差の方がだいぶ大きい。 大倉山の駅横の坂道の途中にある店は珈琲屋やと思ってたけど、実はパン屋だった。クリームパンと…

見たことのない風景

メモ:感じる心と言う勇気。たくさん歩け。働いている。一日中。会社を出て、会社に戻る。今日晴れやんて気づくのが日暮れ。Tシャツで出勤して、泊まり込んでいるといつのまにか肌寒い季節になっている。髭がのびる。床で寝る。朝ご飯が眠眠打破。 この状況…

ちょうどいい遠さ

4日の夕方新幹線で戻って来た。窓際に座っていると、暗闇の中に線路に交わる道路の街頭やネオンや車のヘッドライトが、ずっと遠くまで続いている様子だけが浮かんで見える。何かどこかで見た通りのようだな気もするが、一瞬で通り過ぎてしまうので、よくわか…

ダーククロニクル

最近観た映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、『トランスフォーマー』 最近読んだ本『図書室の海』『六番目の小夜子』いろんな考えや言葉が頭の片隅をよぎっては消えていく。本を読みたい。本屋に行きたい。映画を観たい。映画館に行きたい。歩きたい。お…

エルム街の向こう側

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光の点線

先週末、終電を逃して、いつもより一本遅い電車に乗ると、最寄りから三駅ほど手前の元住吉で降ろされた。ぐったりした社内から綱島通りに出ると、台風が近づいているためか雨が降り続いていた。大倉山までの何キロかを歩いて帰る。綱島街道は概ね東横線と平…