久々に

最近石川直樹の本を続けて読んでいる。
彼が面白いのは自らを「冒険家ではない」と認識しているところ。
命に危険が及ぶようなリスクの高い場所に度々訪れている彼は、
まさに冒険家だと思われるが、
死のリスクが高いことと冒険はイコールではないとする。
では冒険とは何か?
先人の軌跡を辿り、
数えきれない旅の中の過程で彼がひたすら考え続ける、
その問いこそが彼の著作の面白いところ。


「レベルの高いクライミングをいくつもこなした後、
 何がしたいかを問われてある男は言ったそうだ。
 歩きたい、と。
 未知の方角へいつまででも歩いていきたい、そう言ったんだ。」


全ての装備を知恵に置き換えること (集英社文庫)

全ての装備を知恵に置き換えること (集英社文庫)