カバブ

食博に行く。こういうなんとかショーの類いに出店する企業体や自治体、個人商店は全体性といったものの見えないところで、ブースなり企画なりを作り上げているように思う。でかい舞台を組み上げ美女が新商品の性能を謳いあげているすぐわきの三重県のブースでは、おばあさんが並んだ伊勢茶の向こうで息ついている。客も客だ。おばはんが「時間勿体無い!食べてる間にどこでもいいから列並んどき!」と言えば、中学男子は「トリュフって三大珍味やん。あとはフォアグラと…エスカルゴやろ」と酔った顔で威張っている。ここを規定するルールは無いのか。あるのは何畳分かのスペースとそれを繋ぐフロアと廊下のみ。本来離れた住処と目的をもつものが等価に並べられ、ぼくたちは平面上を横滑りしていく…。ネットってこんなものだろうか、とふと思う。ただし検索エンジンは無い。