京都にて

午後から京都入り。京都シネマで『理由』(監督大林宣彦)を観る。B級映画的嘘くささ、例えば時代がかったセットのセットぽさ、トーンの飛躍、高層マンションの3DCGの3DCGくささが気になる。人称の問題。おそらく映画での人称の決定は単一のショットではなく、複数のショット間の関係に依る。映画『理由』での描写は主に二つに分類される。登場人物らが画面外のルポライター中江有里)に事件に関わる内容を証言する部分(A)と、それによって導かれる同じ登場人物らの事件当時や過去の部分(B)である。Aではマイクのかげや、ルポライターの声が随時画面外からのびてくるが、これは三人称的に含まれるだろう。一般的に感情移入しやすい一人称や二人称はおそらくBで描かれるはずである。だがそれすらすぐにAに切り替わりはぐらかされてしまうような(悪い意味ではない)欲求不満を感じた。とりあえず以上覚え書き。