昨日の続き。SAW二回目。基本構造としては地下空間に隔離された二人の男性が仕掛けられた謎と、お互いが抱える情報や秘密、生活を約八時間かけて明らかにしていく一方向の時間軸が大枠で存在する。そこから派生する、あるいは引き出された情報がフラッシュバックや回想のようなかたちで挿入される。同じシーンが複数回インサートされるが、この映画のおもしろいところは、その映像の意味する内容が前に挿入されたときと異なった意味を帯びているということである。主人公らの会話やいくつかの出来事の中で明らかになった情報のために、過去の同じ時間が意味を換え、立ち現れる。全く同じショットが新たな語りや新たな前後のショットとの関係に置かれ、物語に対して様々な機能を果たす。クライマックスに入って、その全く同じショットが目まぐるしいショットの切返しの中にもちこまれたとき、どのような「意味」をもつのか。物語の全体を半ば強制的に提示しているのか。SAW ソウ DTSエディション [DVD]