高速道路を走る車の音

生物に近い領域へ渡るというよりも、アニメートされた人形であるという次元に留まる―ファーニス―
『アリス』の兎にしても、クエイの人形にしても、あるいはバルタのマネキンにしても、共通するのは作品の中で、それらの人形が何らかの性格を備えた登場人物(character)としてではなく、無生物としての人形のまま現れるシーンが存在することである。例えば標本箱の中の兎、壊れ際限なく奇妙な動きを繰り返す人形、マネキンとしてふるまうマネキン。確かにこれらの人形は生物、キャラクターの領域ではなく、単にアニメーションによって動きを付加されただけの物といえるかもしれない。