12年後

小6のときに埋めたタイムカプセルを掘りに、小学校へ向かう。夕方5時、友人をひろってグラウンドに到着。さすがに子ども連れがちらほら居る。トンガやスコップをもって、裏庭で掘りはじめるが、場所の記憶がみんなバラバラ。体育館前やら、中庭の植え込みやら、裏庭の奥やら手前やら。それでも、別の代が埋めたカプセルが出てきたりで、これはいけるかもと思うが、なかなか出てこない。当時の担任の先生が遅れて到着し、指された場所を掘るが、ちょうどこの4月に配管工事があったらしく、出て来るのはパイプだけ。結局、出てこなかった。みんな、何を埋めたか覚えているようだったが、ぼくは何一つ覚えていない。すました文章が出てきそうで恐かったが、その可能性もなくなってしまった。
そのあと、近所の食堂で飲みながら近況報告。店を出ると通り雨が降り出して、体育館の廊下で雨宿りをする。三次会は車で天国という名前の居酒屋で飲む。話したり、プールを見たりしていて、懐かしいという感覚はあっても、不思議なことに、郷愁みたいなものは全く感じなかった。面子も替わらず、12年間も一緒に過ごしたからだろうか。