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東野圭吾『変身』読了。
人間が人間であるために必要なものの多くが実は機械や他人の臓器で代用可能なのだとしたら、自分が自分であるために必要なものはなんだろうか。この小説の主人公純一が与えた答えは「足跡(小説の中では絵画)を残すこと」である。しかし昨日まで残してきた足跡や記憶も日々今の自分によって解釈されるのであれば、純粋なそれは存在しない。重要なのは残してきた足跡と現在の自分にどんな関係性を見い出すのか、だ。